二足歩行ロボットの脚について
- ディザ男
- 2020年4月27日
- 読了時間: 4分
こんにちは,二足歩行ロボット班です.
今回は『格闘競技用二足歩行ロボットの脚』について説明していきます.
これまで何度か二足歩行ロボットの格闘競技の動画や,実際に制作した機体をご覧になったと思いますが,『脚』の部分に何か特徴のようなものを感じましたか?想像してたのよりゴツいなぁみたいな.
…そうなんです.普通に『二足歩行ロボットの脚』と言われて頭に思い描いた脚と,自分たちが実際に使用している脚とでは大きく構造が異なってるんです.今回はその辺についてお話していきたいと思います.
① そもそも脚ってどうやって動かしてるの?
脚の構造について説明する前に,そもそもどうやって動かしてるのかについて説明します.
二足歩行ロボットは,人間でいう関節部分に『サーボモーター』というものがついています.普通の『モーター』は電気を流すとずっと回転する(扇風機とかで使われますね)のですが,『サーボモーター』はずっと回転せず,『ある角度に向かって回転し,その角度に到達したらその位置でキープ』してくれます.

サーボモーターをロボットの関節に使うことで,手をあげたりしゃがんだりすることができます.
② 実際に脚を考えてみよう!
このサーボモーターを関節部分に当たる場所に使うわけなのですが,実際にロボットの足を作るうえ上でこのサーボモーターをどのように配置しますか?実際に自分の足を動かして考えてみてください.
…どうですか?ほとんどの人が『腿の付け根』,『膝』,『足首』にサーボモーターを付ければいいかなぁって思ったんじゃないでしょうか.

こんな感じで『脚の付け根』,『膝』,『足首』にサーボを直付けするような配置のことを『シングル脚』や『シリアルリンク脚』と呼びます(呼んでいます).
③ シングル脚の欠点
じゃあこのシングル脚を使ってロボットを動かせばいいね!と思うかもしれません…が,このシングル脚には大きな欠点があるのです.
それは,『モーション(動き)が非常に作りにくいこと』です.
実際にモデルで見てみましょう.こんな感じで立ってたとします.

例としてしゃがむ場合を想定してみます.
しゃがむということで足首の関節を曲げて…

次は膝のサーボの関節を曲げて…

最後に腿の付け根のサーボを曲げます.

いかがでしょうか?
足のサーボモーターのどれかを動かすと,上半身全体が前後にぶれてしまっているのが分かると思います.

この前後のブレをうまく制御することは非常に大変で,転ばないようにモーション(動き)を作るには時間がかかってしまいます…
④ 格闘競技向けの脚『平行リンク脚』
『どれだけ脚を動かしても常に地面と平行になれるような脚はないものか…』そのようなときに考えられてのが『平行リンク脚』です.平行リンクという機構を脚にそのまま利用した脚です.
平行リンクとは,単純に言えば『四つの材料を軸がそれぞれの軸が平行四辺形になるように組んだもの』です.

この図でいうとaとc,bとdの長さが同じで平行四辺形になっています.
実際の動きを見たほうが早いと思うので以下が動画です.

この部分が平行四辺形になってます.上のサーボモーターが平行四辺形を動かしていますね.
見てわかるように,平行リンクは『それぞれの対辺が常に平行になりながら』回転しているのが分かります.
この平行リンク機構を採用した脚が以下のようなものです.

写真や動画で見るやつに近くなってきました.
先ほどと同じようにしゃがみをしてみると…

地面と胴体が常に『平行』になるため,安定した動きが可能になるのです.
平行リンクで組んだ脚だと,お辞儀などといった動きもできなくなってしまいますが,そもそも格闘競技用のロボットには必要ではなく,需要に合った構造なのです.
⑤ まとめ
いかがでしたか?今回は平行リンクについて簡単に説明させていただきましたが,実際にはこれ以外にもいろいろな構成をした機体がいっぱいあります.もちろん,一番初めに説明しましたシングル脚で好成績を残している機体もあります.それぞれの機体がどんなコンセプトで作られているのかを考えるのもロボットサークルの楽しさの一つです!
余談
実はこの平行リンク,大型バスのワイパーにも用いられることが多いのですが,当然我らが芝浦工業大学の学バスにも採用されています.
雨が降った日は車両の先頭に立ちワイパーを指さしながら『あ!平行リンク見つけたよ!』と叫ぶ人がたまにいます.
平行リンク反対!シングル脚賛成!
平行リンクは邪道ですぞwwwww